~ 6年経ってたーーー そろそろリニューアルします。 ~

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くらげ

登記印紙が必要だったので、とりあえず学校の前の郵便局に行ってみました。

「登記印紙ってありますか?」「はい?」「登記印紙です」「トーキインシ?」

 郵便受付の窓口にいたおばさん(?)は後ろを振り向き、「○○さん、トーキインシって?」と声をかけました。すると別のおばさんが現れ「うちでは取り扱ってないんですよ」と言いました。でも、僕はそこで「あ、そうなんですか」と引き下がるわけにはいかなかったので、「どこに行けばありますか?」と訊きいてみました。

「中央郵便局まで行かないと」中央郵便局?「もしくはエチゼン……」越前? え、カニ? え、なに、くらげ?!

 僕がとんでもない連想を脳内で繰り広げはじめたのを見兼ねたのだと思います。そのおばさんは親切にも「中央郵便局の場所、わかります?」と尋ねてくれました。

「いいえ、わからないです」「富山駅前の……、車、持ってます?(ハンドルを握るジェスチャ)」「いいえ」免許すら持ってないですよ。どうせいつも歩きですよ、僕は。「それなら、富山駅の次の電停降りたところにありますよ」「え、あ、はい、わかりました、ありがとうございます」

 今日だけ止まらない日頃の郵便局での横行により、出没注意のブラックリストに載っている気がしたので、登記印紙の他にも封書を一通出したかったのですが、その場を後にしました。
 親切な局員さんの心中を察するに、僕に「市電に乗って行け」と提案してくれたのでしょう。しかし、残念なことに、行きが200円、帰りも200円、つまり往復で400円、そんな余裕は持っていません。なので、「こんなときこそ」と僕は秘密兵器(自転車)を投入すべく、一時帰宅なのです。

 気持ちも新たに、神通川を越え、富山駅前を過ぎ、市電の線路を追っていたら、ありました。富山中央郵便局です。道端に自転車を停めて、中に入りました。五福とは比べものにならないほどの広さです。
 「えーと、登記印紙、登記印紙……」と僕は、窓口の表示を辿りました。「預金・預入・引出、保険、郵便、ゆうパック……、って、印紙ないじゃん」仕方がないので、一番端、ゆうパックのところにいたおねえさん(?)に、「登記印紙はどこですか?」と助けを求めました。

「登記印紙ですか?」「はい」「なら4番の窓口になります」え、通り過ぎてた?「あ、ありがとうございます」

 てくてくと引き返しました。そしたら、

「お客さま」あに?「登記印紙でございますよね?」「はい」「そうしましたら、4番はこちらになります」

 まさか、再び通り過ぎてました。
 そんなこんなで、ようやく僕は登記印紙を手に入れました。ついでに、返信用封筒に貼るべく80円切手ももらいました。レシートを見ると「80円普通切手(キジバト)」とありました。「キジバト? 他に何があるんだろう?」と疑問に思いました。
 印紙と切手を貼り書類の最終確認をしてから、僕はその場にあったノリを借りて、東京法務局に宛てた封筒を閉じました。完成なのです。窓口に戻り、今度はそれを郵便で出しました。80円でした。そうです、そのレシートにはやっぱり「キジバト」でした。「……うむーぅ」

 帰り道、神通町の交差点で「ゆとり横断ボタン(青の時間が長くなります)を押してみたい」という衝動を抑えつけながら、僕は考えました。「電車代が400円。でも登記印紙も400円。果たして僕は、得をしたのだろうか。……うーん、よくわからん、お?」信号が変わったので思考を中止し、安全運転を心がけて帰ってきました。

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